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キミを愛シテ溺れてる
第10章 名前を呼んで……

四月上旬。何社か面接を受けて私の元にもやっと採用通知が届いた。

募集人数が一人だったから受かるとは思っていなかったから信じられない。

その通知を持ってソラ先輩に会いに行き、自慢するように見せる。


「聞いてください。私もやっと仕事が決まって社会人デビューできるんですよ」

「おめでとう。乙羽さん」

「ありがとうございます。家から二駅くらいの会社なのでこれでこれからも私たちは一緒にいられますね」


そう言うと微笑んでいたソラ先輩の顔色が曇り、私はどうしたのかと首を傾げた。


「喜んでるところ言い難いんだけどさ。……研修でしばらく遠くに行くことになったんだ」


「え……。どこにですか?」

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