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キミを愛シテ溺れてる
第10章 名前を呼んで……
「東京だよ。来週から行ってくるから」
喜んでいたのも束の間、離れてしまう事を知って舞い上がっていた私のテンションは一気に落ちた。
今は触れることができるほど近くにいるのに急に寂しくなってきて涙が出そうになってくる。
「……行かないって言ったじゃないですか」
「今度は俺が乙羽さんを支えてあげないといけないのに傍にいれなくてごめんね」
しょんぼりとしているとソラ先輩が抱きしめてくれて心が少し軽くなった。
「でも会いに来るから安心して。それに乙羽さんの誕生日にはこっちに戻って来れると思うし、ほんの少しの間だけだよ」
私の誕生日と言うと、遠距離恋愛になるのは一か月半くらいだ。
いつも傍にいたから短いようで長い。
それに付き合ってから離れるのは初めてだから怖い。
だけど、ソラ先輩を困らせてばかりではいけないから私もここで頑張ることに決めた。