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キミを愛シテ溺れてる
第10章 名前を呼んで……

給湯室で同僚の女性と井戸端会議をしてみたかったけど、その願いは叶わなかった。

でも歳が近い人は結構いてよく話し掛けてきてくれるから寂しくはなかった。


「乙羽さーん。課長の手紙出し終わったらコーヒーお願いしてもいい?代わりにベルギーチョコ分けてあげる」

「コーヒーですね。分かりました」

「ここだけの話、乙羽さんが入ってから課長が丸くなったんだよ。課長は長いこと彼女がいないみたいだから乙羽さんのこと狙ったりしてね」


「そんなことないですよ。私のできが悪いので挫けないように優しく指導して下さっているだけだと思います」

「冗談の交わし方も上手いとは期待の新人さんだねぇ」


職場の人は優しくて親切だからこれから先もやっていけそうだ。

入社してまだ一週間くらいしか経っていないのに早くも打ち解けられてきた気がする。

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