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キミを愛シテ溺れてる
第10章 名前を呼んで……
手を伸ばせばすぐに届くところにいてくれたあの頃のように……。
お互い環境が変わって大学生の頃のようにはいかないことは分かっているけど、簡単に会うことができないくらい離れてしまって過去が恋しくなる。
「泣かないでよ……。来週も会いに来るから。美味しいお土産もまた買って持ってくるよ」
「うっ、うぅっ……」
「あと五回寝て仕事に行けば会えるんだから。そう考えるとすぐだろ?」
涙が頬を伝って次々と落ちてシーツに滲んでいく。
寂しがり屋で泣き虫の私をソラ先輩が背中をさすってくれて慰めてくれる。
どんな時でも面倒くさがらずに向き合ってくれるから私はこの人じゃないとダメだ。
「風子、離れている時も一緒にいる時と変わらずに愛してるから安心して」