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キミを愛シテ溺れてる
第10章 名前を呼んで……
苗字ではなく名前で呼んだのが確かに聞こえて驚きのあまり目を見開く。
「今度から私のことを名前で呼んでくれるんですか……?」
するとソラ先輩はしばらく私の様子を観察するように無言でじーっと見てくる。
恐らく私が過去の嫌な記憶を思い出すか探っているんだと思う。
でも呼ばれてみて気分が悪くなったりしたり、何かを思い出すようなことはない。
寧ろ嬉しくて、そうして欲しくて胸を弾ませているとソラ先輩が頬を緩ませて私の頬を触れてくる。
私もそこに自分の手を重ねて愛しさを感じた。
「うん。大丈夫そうだから今度から名前で呼ぶよ」
「もう一回呼んでください!もう一回、名前で!」