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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1
しかし、思っていたよりもずっと早くその時がやってくる。
その日は、夏休みに入ってから異様に暑いと感じた日だった。
大学に忘れ物を取りに行き、駅前を歩いていると偶然にも風子を見掛けた。
駅前での遭遇率は元々高かったけど、ここまで偶然が重なると怪しまれてしまいそうだ。
今日は隣に友達がいなくて一人でいるから話し掛けるチャンス。
近付いていくと、じとっとした目つきで俺を見てくる。
「ばったり会うこと多いですし、私にGPSでもつけたんですか。怖いんですけど」
やはり呆れられている。
「偶然だよ。これからどこか行くの?颯太のとこ?」
「私がどこに行こうと関係ないじゃないですか。それに颯太は出張でいませんので。ひとりでパワースポットまで冒険中です」
出張で彼氏がいないのなら好都合。