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キミを愛シテ溺れてる
第12章 王子様の嫉妬が甘くて激しい愛に変わる時
ポケットからスマホを取り出して電話帳から颯太のことを探し始めるソラ先輩。
やめてっと言いながらも、心のどこかでほんの少し揺れていた。
私は我慢しているのに、颯太ばかりずるいっという気持ちのせいで……。
「ふっ、冗談だよ」
笑って優しく微笑んではいるものの、私の心の奥まで入ってくるように見据えられいるようで怖かった。
高校生の頃からソラ先輩はいつもそう。私の本当の気持ちを見抜こうとする。
そして当ててしまうのだから怖い人だ……。
合わせていた視線から避けるように俯くと、ソラ先輩はスマホを持って下げていた手を上げて再び使い出す。
「……やっぱり電話する」
「ええっ!?」
「俺は本気だから。……乙羽さんとご飯に行きたい気持ちが」
「はあ……、何ですかその理由は……。ひとりで食べられないんですか」
呆れて様子を見ていると、ソラ先輩が耳に当てていたスマホから颯太の声が聞こえてきて電話が繋がったようだった。