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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1
付近を捜していると、猫を追って土手の方へ向かって行く姿が見えた。
危ない場所に向かっているのが分からないのか……。
いいや、危なっかしい彼女のことだから猫に夢中で気付いていない。
引き止めようと急いで走って行くと、案の定土手があるのを知らずに前へ進んでいた。
「乙羽さん!!」
なんとか間に合い、落ちる寸前の彼女を抱き締めるようにして助けることができた。
その反動で尻餅をついて痛かったけど、触れることができた嬉しさでその痛みはすぐに感じなくなった。
風子は無事なのか、後ろから顔を覗いてみると涙を流していた。
「……大丈夫?痛かった?」
「なんともないです。ただ……、上手くいかないなって」
ああ……、恋愛のことか。