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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1
「うん……。そうだね……」
思ったように上手くいかない。
「どうして頑張っても思うようにいかないんでしょうかね」
俺だって頑張っていたはずなのに、どうしてキミは他の男を選んだんだろう。
慎重になり過ぎたのが悪かったんだろうか。
「乙羽さんは十分に頑張ってるよ」
「っ……。私は、颯太にもっと愛されたい……」
「……うん」
俺ならキミのことをもっと愛してあげるのに……。
本当は奪いたい。
そして――――もう一度、俺の隣にいて欲しい。
「すぐに離さなくてごめんね。どうやら足が痺れたみたいだ。だから乙羽さんも動かないでくれる?」
「治るまでそのままでいいですよ。ソラ先輩……」
涙を流すほど悩んでいるのなら、その苦しさを取り去ってあげたい。
このまま風子を遠い場所へ連れて去って颯太から引き離したい気分だ。
静かに抱き締めたまま、この気持ちを悟られないように彼女のぬくもりを感じていた。