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キミを愛シテ溺れてる
第12章 王子様の嫉妬が甘くて激しい愛に変わる時
「何か用事があるんですか?……彼女のバイトが終わるとか?」
ニヤニヤした顔をしながらからかってみると、冗談が通じなかったのか寂しそうな笑みを浮かべられる。
「それはないかな」
どれがないんだ。
「乙羽さんの彼氏に午後九時までなら二人きりでいてもオッケーって言われたから帰さないとだなって思って」
「えっ……。颯太がそんな条件を……?」
「うん。今日はこれを守らないとダメだって言われたから。……シンデレラに帰られてしまう王子様の気持ちが分かった気がするよ」
「そんなメルヘン的なことを言って頭でも打ったんですか?」
「ふっ、そうかもしれないね」
* * *
愚痴を聞いてくれたこの時に話したことを今でも忘れていないんだと思う。
私が嫉妬するのが嫌だから、どれだけムキになっても嫉妬させるような真似をしてこない。
比べてしまうのはよくないけど、颯太と付き合っていた時よりもソラ先輩と一緒にいるようになってから彼女として安心していられた。
「あーあ、行っちまった。せっかくのチャンスが……」