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キミを愛シテ溺れてる
第12章 王子様の嫉妬が甘くて激しい愛に変わる時
声を掛けてきたのは同じ学部の女の子で、息を切らして走ってきたから急用みたいだった。
「えっ、何の用事かな?」
「出し物の在庫がどうのこうのって言ってたけど……。あたしはその話し合いをした日に休んだからよく分からなくて」
「あー、そのことね!わざわざありがとう。今行くからね。
……ソラ先輩、海田先輩すみません。ちょっと行ってきます」
「いってらっしゃい」
送り出してくれたその台詞に「すぐ戻ってきてね」っと続いていそうな瞳を向けてくるソラ先輩。
相手が別の人だったならそんな風に見なかっただろう。
ともかく早く用事を済ませてこようと思い、私は椅子から立ち上がった。
「誰だ?秋って。名前からして男?」
「うん。乙羽さんの同級生だよ」
「へー、知ってるのか。……同級生じゃなくて風子ちゃんの仲の良い男友達じゃね?」