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キミを愛シテ溺れてる
第12章 王子様の嫉妬が甘くて激しい愛に変わる時
私のことを探していた秋に会いに行き、用件を聞いて出し物の在庫がある場所を教えた。
今年は私も出し物の係になっていて同じ学部で同学年の人たちに指示をしないといけないから忙しい方だった。
午前中は係の仕事をしていたけど午後からは代わりの子が仕切るため、私は自由時間を過ごせている。
秋に用件を伝えてから一緒に歩いていると、待っていてくれたソラ先輩の姿が見えた。
こちらの方に視線を向けているもののどこか不満そうな顔をしている。
隣を歩いていた秋と少し離れたところにいるソラ先輩が目が合った時、互いに会釈をしていた。
今はもう何も話すことがないからそれだけ……。
「じゃあ、後はよろしくね」
そう言って秋から離れて私はソラ先輩の元へ走っていく。
これから先、一緒に歩むことを選んだ人の元へ真っ直ぐと……――――
「ソラ先輩!ただいま戻りました」
「おかえり、乙羽さん。用事は済んだの?」