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キミを愛シテ溺れてる
第13章 ひと時の青春と禁断の恋
大地くんのことを見ている人がいないか座ったまま店内を見渡す。
午後四時を過ぎてから学校帰りの高校生や親子が店に入って来るけれど平日というのもあって客は少ない。
「見てのとおり、僕ひとりだけど?心配しなくても男友達は来ないよ?」
「彼女と待ち合わせなのかなって思ったから」
「風子ちゃんったらボクに彼女がいないって分かってるのに聞いてるでしょ」
遂に呆れた目を向けてくる大地くん。恋愛のことを聞いてみるといつもこうだ。
動揺もしないから彼女がいないのは本当のことなんだと思う。
「分からないよ。久しぶりに会ったら相手に恋人がいたってパターンだってあるでしょ?だから聞いてみようかなって思って」
「まぁ、そうだけど……。サークルにも女の子がいないし、僕にいい出会いなんてないからねー。
友達になってから恋愛歴を話すとドン引きされるし」