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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1
午後八時。颯太のアパートの近くの駅で待っていると、泣きながら風子が歩いてきた。
喧嘩をしたにしては異様に落ち込んでいる。
やはり、浮気されていることを知ったのだろうか。
「早かったね」
もっと遅くなるのかと思っていた。
「あっ……。うっ…、ううっ……、っ……」
「大丈夫。見れば分かるから」
大体は。
言いたいことを話せないくらい苦しそうで、次から次へと涙を流している風子を俺の胸に抱き寄せた。
「っ……、別れたくないのに……。こんなのってっ……」
賭けは当たった。
ずっと待っていたこの時がすごく嬉しいはずなのに……。
悲しそうにしている風子を見ていると胸が苦しくなってくる。