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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1
今の風子が感じている失恋した痛みはどんな痛みなんだろう。
俺の感じたことのある痛みと似ているんだろうか……。
「ソラ先輩っ……。ううっ……」
「いっぱい泣いていいよ」
抱き締められても嫌がりもせず、身を寄せてくる彼女の頭を撫でながら泣き止むまで待った。
「なんで……、私は浮気されちゃったんですかね……、っ……」
「乙羽さんは悪くないから」
「出張なんて嘘で他の女と遊んでいたみたいなんです。その女の人から体の関係があったことを教えられて、私の方が彼女じゃなくて浮気相手だって……」
「颯太と二年も付き合った女は今まで見たことなかったし、本命はきっと乙羽さんだったと思うよ」
こんなに可哀想な目に遭うのなら付き合った時にどう言う男なのか教えればよかったんだろうか。
恋愛には数学のように決まった答えがないから困ってしまう。
そうだとしても、恋愛に関しては後悔することばかりで俺は本当に不器用だ……。
「失恋した後輩の面倒を見てくれるなんてソラ先輩は優しいですね……。高校生の時も私がドジをすると助けてくれていましたよね。懐かしくなります」
「あのさ、乙羽さん……」