この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1
「はい」
「俺が…………」
「なんでしょうか?」
「いや、なんでもない」
今すぐ奪いたいと思っていたくせに、気持ちを伝えて嫌われるのが怖くて、ただ隣にいてあげることしかできなかった。
情けない。
後悔を知っただけで、"あの頃"と何も変わっていない……。
九月中旬。風子が颯太に振られてから数週間が経った。
勇気を出して何回かデートに誘ってみたけど、会ってさえもらえなかった。
【忙しくて会えなくてすみません。でも嫌いになったわけではないですから】
メッセージを見る限りは嫌われていないようだ。
もしかしたら俺が元カレの従兄弟だから、気まずいのかもしれない。
それとも他に男ができた……?