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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1

「はい」

「俺が…………」


「なんでしょうか?」


「いや、なんでもない」

今すぐ奪いたいと思っていたくせに、気持ちを伝えて嫌われるのが怖くて、ただ隣にいてあげることしかできなかった。

情けない。

後悔を知っただけで、"あの頃"と何も変わっていない……。



九月中旬。風子が颯太に振られてから数週間が経った。

勇気を出して何回かデートに誘ってみたけど、会ってさえもらえなかった。


【忙しくて会えなくてすみません。でも嫌いになったわけではないですから】

メッセージを見る限りは嫌われていないようだ。

もしかしたら俺が元カレの従兄弟だから、気まずいのかもしれない。


それとも他に男ができた……?

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