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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1

後ろを振り向いてみると、噂をしていた風子がいた。

ぷっくりと艶のある唇が色気を出していて、花柄のワンピースが大人っぽさを感じさせる。


「乙羽さん、今日も綺麗だね」

思わず本音が出てしまった。


「はいはい。ソラ先輩は来るのが早いですね」

いつも可愛いけど、今日はより一層身支度に気合いが入っているような気がした。

それにしては元気がない。

海田も集合して、余興の話を始めると混ざってこなくて黙っている。


どうしても気になって、解散した後に風子を引き止めて思い切って聞いてみた。

「……颯太のこと、まだ引きずってるだろ」

「やっぱり、バレてましたか」


酷い事があったのにも関わらず、まだ颯太のことが好きで諦められないようだった。

浮気されたんだから、一気に嫌いになるのかと思っていた。

「でも今は次の恋をしようって思ってます。心配されないようにいい男を探してゲットしますから見ていて下さいね!」

ダメだ。探さないで欲しい。

「他の男なんていらないだろ」


「え……」


「……俺がいるよ」

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