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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1
告白とは言えないだろう。
だけど返事を聞かせて欲しい。
俺が今のキミにとって恋愛対象になっているのか。
試験の合否を見る時よりもドキドキしながら、風子の顔を覗くと目を見開いてから少し困った顔をしていた。
どっちなんだ……。
「――――風子ちゃん」
答えを待っていた時、具合の悪くなった風子をナンパしていた男が現れた。
「樹さん……」
いつの間に名前を教えるほどの知り合いになっていたのか。
「乙羽さんどういうこと……」
「ソラ先輩、ごめんなさい……!」
そして、その男の手を引いて俺の前から逃げるように風子は去って行った。
いきなりの出来事で混乱して立ち尽くしていると雨が降ってきた。
また雨か……
風子と特別なことがある時はいつも雨が降る。
“好きだ”って早く言っていれば良かった。
無理矢理にでも今の男から引き戻せば良かった……
強引か……
最初からそうすれば良かったんだ――――