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キミを愛シテ溺れてる
第2章 処女ヲ捧げた時

「んー……、どうしてこうなるんだろう。難しすぎ……」


「どうしたの?乙羽さんは勉強をいつも頑張っていて偉いね」


「えへへ……。実は私、記憶喪失になって夏休み前までのことを何も覚えてないから人一倍頑張らないといけないんですよ。今はここが分からなくて……」

「そこはね、この公式を使うんだよ。そして問題文から考えてこれは――――」

放課後、ひとりで勉強をしていた時。

先生に聞きに行くのが恥ずかしくて悩んでいると私が分かるまで教えてくれた。

まるで個別で教えてくれる家庭教師みたいに。

おかげで私は難なく授業についていくことができた。


「方角も分からなくて、地図の見方もできないなんて私ったら本当ダメダメですよね……」

「大丈夫だよ。これから知っていけばいいんだから」

私に過去の記憶がなくても馬鹿にしないで、どんなことでも笑顔で教えてくれた。

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