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園主の嫁取り(くすくす姫サイドストーリー)
第3章 長老会議
「では、こちらを作る者には諸々の判断は任せられない。しかし、こちらを作る者になら、判断をゆだねても良いということですかな?」
喧々囂々の長老達に、クロウが訊ねました。

「無論だ。このように腑抜けになるのであれば、婚姻は考え直して頂かねばならない」
「皆様御同意で、宜しいですかな」
「議決を取るまでも無い」

(クソ……俺は、どうなろうが、構わねぇ。今持っている物の内、たった一つしかこの手に残せねぇと言うのなら、俺が選ぶのは、)
サクナが口を開くよりも早く、クロウの声が響きました。

「では、ご一同様。お手元の皿の裏側を、ご覧くださいませ」

「裏?何かあるのか?」
クロウの言葉に、長老達は、すっかり空になっていた目の前の皿を、ひっくり返しました。

「これは……」
裏側を見て、困惑しています。

「お分かりですか?皆様が腑抜けとおっしゃった皿こそが、以前のサクナ様のお作りになったものの皿でございます」

「何だって!?」
長老達は予想外の言葉に、ざわつきました。
「騙したのか、クロウ!!」
「とんでもない事でございます。私如きが皆様を騙すことなど出来ましょうか」

そう言うと、クロウは一つお辞儀をしました。
「召し上がられたのも、お決めになったのも、全て皆様方でございます。ただ私は、皿を間違えないように、サクナ様がお作りになった日付を裏に認めて置いた、というだけで」

「中身を、誤魔化しだろう!」
「お言葉ですが、私は誤魔化しをしたことなど、人生で一度もございません。少しずつですが、こちらにまだ同じものが残っておりますよ……?お疑いでしたら、もう一度お試しになってはいかがでしょう」

クロウはそう言って長卓の中央に日付の書かれた二本の瓶を置きましたが、誰も動かないのを見ると、各自の皿を下げ始めました。
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