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陽向の恋
第3章 三
* * *
「陽向、話って何?」
会議室へ入ると陽向は中から鍵を掛けて、質問する私へ向かって頭を下げた。
「……昨日はごめん。苗ちゃんを怒らせてしまって。まだ怒ってる?」
やっぱりだ……謝る為に陽向は私をここへ。
私はチラッと自分を見る陽向へ、おずおず話し出す。
「私、陽向に聞きたいことがあるの……」
「聞きたいことって、もしかして俺が、苗ちゃんの胸しか好きじゃないっていう話?」
「うん……」
陽向も私がそう感じていること、気付いてたんだ……。
私は陽向の質問に頷きながらも、少し驚いた。
だが、急に陽向が私の両腕を勢いよく掴むと、ビクッとする。
「あのね、苗ちゃん。俺苗ちゃんのおっぱい大好きだよ」
「……」
何の宣言だ。
そう思いながらも、陽向が真剣に続けた言葉を聞いて心のモヤモヤが消えた気がした。
「でも、それ以上に!苗ちゃんが大好きだよ!おっぱいなんて、二の次だよ!」
「ありがとう……」
「自分のことしか考えてなくてごめんね?」
陽向の方へ引き寄せられ、そのまま抱き締められる私の体。
この一言でホッとする……。陽向を巨乳星人だと思っていたことを謝りたい。
「苗ちゃん。どうして俺が苗ちゃんのおっぱいに執着する様になったか聞きたい?」
耳元で陽向がそう質問すると、質問を返した。
「何でなの……?」
すると急に語り口調で、陽向は話し出す。
「あれは中学三年生の頃……夏休みに友達達と花火大会に行ったら、浴衣姿の苗ちゃんがいた。あの頃でもう既にEカップ。苗ちゃんの胸は浴衣から溢れそうになっていた……」
「……」
「周りの男達もそれに気付いてて、皆獣の様に苗ちゃんのおっぱいをじろじろ見てた。あれが、おっぱい戦争の始まりだったんだよ!」
「おっぱい戦争……?」
急に何を言い出すんだ。
若干引きながら、話の続きを聞く。
「俺が苗ちゃんのおっぱいを守らないと!いやらしい男達が沢山狙ってるんだから!知らないの?課長だって、営業の杉本だって、いつも苗ちゃんのおっぱいを鼻伸ばして見てるだろ!」
「知らないよ、そんなの……」
「もう、苗ちゃんは鈍感なんだよ!」
陽向は熱く語ると、心配そうに私の頭を撫でた。