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陽向の恋
第4章 四
助けてくれた……。かっこいい。
「あのね、後、初めからデートを家に誘うなんて下心見え見えですよ。やめた方が良いですよ」
「何だよお前!お前だって、三浦さんのこと可愛いって言ってたじゃねーかよ!本当は誘いたいくせに……!」
「可愛いですよ、ね?三浦さん」
「うわ!ずりーわ!本当計算高い男って怖いわ!俺のように素直なのが一番だからな!」
二人で何かごちゃごちゃ揉めているけど、陽向から可愛って微笑まれて、私の目にはもう杉本さんは映っていない。陽向だけ……陽向だけいれば良い……。陽向さえいてくれれば……。
「はいはい、もう仕事しますよー」
そのまま陽向は杉本さんの背中を押して、私のデスクから離れていく。しかし私の心はここにあらずで、もう陽向しか考えられなくなっていた。
「……」
暫く呆けて、陽向のさっきの笑顔を何度も繰り返し頭の中でリピート再生した。