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陽向の恋
第5章 五
「あのね、陽向……実は今日、課長から告白されたんだ……」
陽向の純真な笑顔を見ながら、そうおずおずと言った。こんなに優しくて思いやりのある陽向が、昨日の今日でまた怒るわけはない……そう、心の底から信じていた。
「課長って、加地課長……?」
「うん、そう……年の差が無理ですって断ったんだけど。来週社内旅行あるでしょ?その時一緒に回ろうって……何か課長、社内旅行の時に自分の若さを証明するとか言ってて……」
「あの……くそジジィィィー!」
ポカンと口を開けていた陽向。だが、私の続けた言葉を聞くなり、急に叫ぶ。かめはめ○だ!よけねぇと、かめはめ○が飛んでくっぞ!
「陽向……落ち着いて……私、社内旅行行くつもりないから。課長と回りたくないから、休もうと思ってて……」
「当たり前だろ!ほら見たことか!俺の言うとおりだったじゃん!あのエロジジィ、いつも苗ちゃんのおっぱいに鼻の下伸ばしてたんだって!」
「……」
「これで分かったでしょ?!苗ちゃんのおっぱいの威力が!」
「そんな……私の魅力がおっぱいだけしかない様に言わなくても良いじゃない!」
両肩を掴まれながら怒りつつ熱弁されて、私は何故か腹が立った。いつもいつも、おっぱい、おっぱいって……私の魅力はそこだけか?心配してくれてるのは分かっているけど、私だって傷つく。
「確かに課長は私の胸も魅力とは言ってたけど、私の人間的なところにも惹かれたって言ってくれたのよ!」
「そんなの絶対嘘だね!あのジジィは、おっぱいしか見てないよ!」
「……何でそんなこと言うの」
売り言葉に買い言葉。お互い感情的に話しても無駄だと分かっている。でも、陽向の言葉に悲しくなった。