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陽向の恋
第6章 六
「あの、課長……」
「っ!別にエッチな妄想とかしてねーぞ!」
「そんなこと聞いてませんけど……その手使い止めてくれませんか?」
私から話し掛けられて、慌てる課長。その両手は自分の胸前で何かを揉むかの様に、わしわしと動かされている。……明らかに揉んでるんだけど。脳内で。
「これは……手の体操を……」
「もう良いです。次何処行きますか?明日は松山城行くんですよね?」
「……温泉、行くか?……」
はあっとため息を吐いて諦める私へ、加地課長は聞いた。……温泉?って、旅館帰ってからも入るのに?
「温泉良いですね!足湯とか立ち寄り湯もあるし、行きましょう!折角浴衣着たんだし!」
驚く私の横で、花菜が嬉しそうに微笑む。そうだった。花菜は温泉好き。1日に何回入っても飽きないらしい。
「じゃ、行くか……」
温泉街の方へ向かって歩き出す。そんな加地課長の後ろを追って、また私と花菜は歩き出した。