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陽向の恋
第7章 七
……――時刻は11時。花菜が寝たのを見計らい私は陽向の部屋へ向かい、陽向から渡された鍵で鍵を開けて部屋へ入った。夕食の後また温泉に入ったし、部屋は暖房つけてるし、体はぽかぽかしている。
「陽向……?」
「苗ちゃん、ここ来て、ここ」
八畳一間の和室には、既に布団が3つ並べられていて、一番奥の布団に陽向は胡座の姿で座っていた。浴衣姿で、髪は少し濡れている。ポンポンと陽向の前を叩かれて、私は言われるがまま近寄る。
「誰にもここ来る時見られなかった?」
「多分……」
「なんかドキドキするよね!」
ドキドキさせてるのは自分だろ――
そうは言えず、陽向の前に座りながら黙り混む。
「苗ちゃん、俺が中学三年の時、苗ちゃんの部屋に忍び込んでおっぱい触った時、怒らなかったよね。あれ、何で?」
急に質問されて戸惑ったが、私は暫く考えて答えた。
「ビックリしたし……引いたし……まさか陽向があんなことするとは思わなかったし……現実を受け入れられなかったのかな」
「嘘!俺のこと、好きだったからじゃないの?!」
「それとは違うような……」
好きだと意識し始めたのは、もっと先だ。酔って介抱された日だ。だからそれまで、陽向はただの親戚の男の子だと思っていた。ちょっと変わった男の子。
「勝手におっぱい触ってくるから、陽向の将来心配したよ……」
「……」
不安だった時を思い出しながら私が話すと、陽向はショックを受けたように黙り混んだ。その後話した私の言葉を聞いて、嬉しそうにしたが。
「でも、陽向といていつも楽しかったよ。ちょっと胸ばかり好かれて困る時もあるけど……」
「苗ちゃん!俺も苗ちゃんといて楽しいよ!おっぱいは男にないものだし、どうしても見ちゃうけど……これだけは言っときたいんだ」
苗ちゃんがこれから年を取って、おっぱいしぼんでも、絶対苗ちゃんが好きだよ。そう続けて、陽向は私の唇へ軽く口付ける。そしてへらっと笑い、浴衣の上から私の両胸を触り出した。
「皆もう寝てるよね。静かにしようね」
「うん……」
全ては、陽向の従兄弟として生まれついたことから始まっているんだなと、そのまま布団へ寝そべりながら物思いに更けた――……