この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
スグリ姫の試練(くすくす姫後日談・その3)
第4章 四週目
サクナが故郷に帰ってから、ひと月が経とうとしておりました。
今日はバンシルと一緒に、バンシルの里に赤ん坊を見に行く日でありました。

「どのくらいかかるんだったかしら?」
「そうですね、二時間くらいですかね」
二人は御付きの者と御者を従えて、馬車に揺られておりました。

「…寝てもいいかしら?」
なんか眠くて、という姫に、バンシルは持ってきたブランケットをかけて差し上げました。

先日大臣から知らされた事実は、スグリ姫には驚くようなことばかりでした。
サクナは本人も言って居たように、服装も言葉遣いもやることも、それほど「お上品」ではありません。
タンム卿と幼馴染で競い合った仲だとは聞いていましたが、それも大した意味を持つとは思っておりませんでした。

(あなた様の婚約者殿は、とても大きな物を背負っている。)
(スグリ姫様。貴女様は、それでも彼に嫁ぐことができますか?)

大臣の問いに、姫は、すぐには返事ができませんでした。
その姫の様子を見た大臣は、大臣から仲良しの小父様に戻って、困ったように微笑むと、とても大切な事ですよ、ゆっくり考えて御覧なさい、と言いました。

サクナがどんな人であっても、姫の気持ちには変わりはありません。
どんな人でも、どんなことをされても、結局好きなんだと思っているのです。
それが「恋は盲目」の結果であって、先々は変わるかもしれないと今言われたとしても、先のことなど、今の姫には考えることは出来ないのです。
ですが、サクナが大きな責任を背負っているということを聞いてしまった今は、単なる好きとは違う思いが、姫の心に生まれています。
それは、サクナに対する不安ではなく、自分に対する不安でした。

/40ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ