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スグリ姫の試練(くすくす姫後日談・その3)
第8章 七週目と、その終わり

「おお、大臣…今ちょうどスグリと、この前の件について話していたところだ」
王が鼻をぐずぐず言わせながら大臣に話しかけると、大臣が王を遮りました。

「王。火急の用件で参りました。失礼ながら、こちらの用件を先に申し上げてもよろしいでしょうか」
「急ぎ?何だ?」
大臣は王にお辞儀をすると、スグリ姫に向き直りました。

「スグリ姫様。サクナ殿が、お戻りになりました」
「えっ?!」
「なんですって!?」
「なんと?」
戻るまでには、ふた月ほどかかると言っておりましたので、随分早いように思えます。
この日までには帰る、と約束した姫の誕生日は、一週間ほど先でした。

「お戻りには、なりました。…但し、ご病気です」
「ええっ!?」
大臣の言葉に、姫は顔色を変えました。

「ご一緒にいらっしゃった従者の方が、絶対人に移る病気では無いので、スグリ姫様をお呼び頂きたい、と」
「分かったわ」
姫は頷くと、王と王妃に懇願しました。

「お父様、お母様。わざわざお時間を取って頂いた上に、お話が途中で、本当に申し訳無いのですけれど…続きは、日を改めては頂けませんか?」
「勿論構わないよ」
「ありがとうございます、お父様」
「早く行ってお上げなさい……スグリ?」
「はい?」
姫は王妃に呼び止められて、動きかけていた足を止めました。

「…何でもないわ。…気をつけてね」
「ありがとうございます、お母様」

スグリ姫はお二方にお辞儀をすると、部屋を出た大臣の後を追いかけました。
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