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スグリ姫の試練(くすくす姫後日談・その3)
第8章 七週目と、その終わり
スグリ姫が大臣と一緒に玄関に赴くと、入り口の長椅子のあたりに二人の人影が見えました。
一人は床にひざまずいており、一人は長椅子に横たわっているようです。
「サクナっ!?」
「…う…」
スグリ姫が声をかけても、反応はしますが、目は開きません。
「サクナぁ…どうして、」
「貴女様が、スグリ姫様ですか?」
ぐったりしている婚約者を見て目を潤ませるスグリ姫に、横から声が掛かりました。
「…はいっ!」
もしかして従者の方かしら、とそちらを見て、スグリ姫は目を丸くしました。
(すごい…銀色の髪と、黒…?灰色?の眼…)
そこに居たのは姫よりも若く、銀色の髪と濃い灰色の光る眼をした、小柄な男性でした。
(なんか…猫みたいな…)
「では、改めまして…スグリ姫様、初めまして。当主の家に仕える者で、ダドリーと申します」
姫が自分をじっと見ているのも気にせず、小柄な男性はてきぱきした様子で立ち上がり、スグリ姫にお辞儀をしました。
「この度はこの様な事になり、誠に申し訳ございません。当主をお止めはしたのですが、全くお聞きにならなくて…」
「ダドリー殿。とりあえず、サクナ殿を部屋にお連れしたいのだが」
大臣はスグリ姫とダドリーが挨拶を交わしている間に、体格の良い使用人を連れて来たようです。
「ああ、大臣様、ありがとうございます。…私では小さすぎて当主は運べないので、助かります」
「とりあえず、ここから一番近い客間にお連れしようと思う。…スグリ姫様、よろしいですかな?」
「ええ。宜しくお願い致します」
使用人と大臣は二人でサクナを支えると、客間に向かって歩いて行きました。
「ダドリー様、サクナの面倒を見て下さって、ありがとうございます。でも、どうして病気になんか…」
顔を伏せて嘆く姫の言葉を、ダドリーが途中で遮りました。
「スグリ姫様。驚かれたでしょうが、ご心配なく。これは、当主の年中行事です。」
「…年中行事…?」
病気とは似ても似つかぬ言葉に、スグリ姫は思わず眉をひそめました。
一人は床にひざまずいており、一人は長椅子に横たわっているようです。
「サクナっ!?」
「…う…」
スグリ姫が声をかけても、反応はしますが、目は開きません。
「サクナぁ…どうして、」
「貴女様が、スグリ姫様ですか?」
ぐったりしている婚約者を見て目を潤ませるスグリ姫に、横から声が掛かりました。
「…はいっ!」
もしかして従者の方かしら、とそちらを見て、スグリ姫は目を丸くしました。
(すごい…銀色の髪と、黒…?灰色?の眼…)
そこに居たのは姫よりも若く、銀色の髪と濃い灰色の光る眼をした、小柄な男性でした。
(なんか…猫みたいな…)
「では、改めまして…スグリ姫様、初めまして。当主の家に仕える者で、ダドリーと申します」
姫が自分をじっと見ているのも気にせず、小柄な男性はてきぱきした様子で立ち上がり、スグリ姫にお辞儀をしました。
「この度はこの様な事になり、誠に申し訳ございません。当主をお止めはしたのですが、全くお聞きにならなくて…」
「ダドリー殿。とりあえず、サクナ殿を部屋にお連れしたいのだが」
大臣はスグリ姫とダドリーが挨拶を交わしている間に、体格の良い使用人を連れて来たようです。
「ああ、大臣様、ありがとうございます。…私では小さすぎて当主は運べないので、助かります」
「とりあえず、ここから一番近い客間にお連れしようと思う。…スグリ姫様、よろしいですかな?」
「ええ。宜しくお願い致します」
使用人と大臣は二人でサクナを支えると、客間に向かって歩いて行きました。
「ダドリー様、サクナの面倒を見て下さって、ありがとうございます。でも、どうして病気になんか…」
顔を伏せて嘆く姫の言葉を、ダドリーが途中で遮りました。
「スグリ姫様。驚かれたでしょうが、ご心配なく。これは、当主の年中行事です。」
「…年中行事…?」
病気とは似ても似つかぬ言葉に、スグリ姫は思わず眉をひそめました。