この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
スグリ姫の試練(くすくす姫後日談・その3)
第8章 七週目と、その終わり
スグリ姫が大臣と一緒に玄関に赴くと、入り口の長椅子のあたりに二人の人影が見えました。
一人は床にひざまずいており、一人は長椅子に横たわっているようです。

「サクナっ!?」
「…う…」
スグリ姫が声をかけても、反応はしますが、目は開きません。

「サクナぁ…どうして、」
「貴女様が、スグリ姫様ですか?」
ぐったりしている婚約者を見て目を潤ませるスグリ姫に、横から声が掛かりました。
「…はいっ!」
もしかして従者の方かしら、とそちらを見て、スグリ姫は目を丸くしました。

(すごい…銀色の髪と、黒…?灰色?の眼…)
そこに居たのは姫よりも若く、銀色の髪と濃い灰色の光る眼をした、小柄な男性でした。
(なんか…猫みたいな…)

「では、改めまして…スグリ姫様、初めまして。当主の家に仕える者で、ダドリーと申します」
姫が自分をじっと見ているのも気にせず、小柄な男性はてきぱきした様子で立ち上がり、スグリ姫にお辞儀をしました。

「この度はこの様な事になり、誠に申し訳ございません。当主をお止めはしたのですが、全くお聞きにならなくて…」

「ダドリー殿。とりあえず、サクナ殿を部屋にお連れしたいのだが」
大臣はスグリ姫とダドリーが挨拶を交わしている間に、体格の良い使用人を連れて来たようです。

「ああ、大臣様、ありがとうございます。…私では小さすぎて当主は運べないので、助かります」
「とりあえず、ここから一番近い客間にお連れしようと思う。…スグリ姫様、よろしいですかな?」
「ええ。宜しくお願い致します」
使用人と大臣は二人でサクナを支えると、客間に向かって歩いて行きました。

「ダドリー様、サクナの面倒を見て下さって、ありがとうございます。でも、どうして病気になんか…」
顔を伏せて嘆く姫の言葉を、ダドリーが途中で遮りました。

「スグリ姫様。驚かれたでしょうが、ご心配なく。これは、当主の年中行事です。」

「…年中行事…?」
病気とは似ても似つかぬ言葉に、スグリ姫は思わず眉をひそめました。
/40ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ