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スグリ姫の試練(くすくす姫後日談・その3)
第3章 三週目
「ごきげんよう、大臣」
「スグリ姫様、ご機嫌よろしゅう存じます。お時間を頂いて恐縮です」
「ううん。訪ねてくださって、嬉しいわ。小父様とゆっくりお話しするの、久しぶりね?」
スグリ姫は大臣に、にっこり笑いました。
大臣は父である王の側近であり、幼友達でもあります。
スグリ姫のことは生まれたときから可愛がってくれている、もう一人の父ともいえる方でした。
しばらくは、王と王妃の話、ハンダマ王子とレンブ妃の話など、周囲の近況の話をしながらお茶を飲んでおりました…が。
「そういえば、今日は何か御用事があったのでしょう?私にできることかしら」
「ああ、そうだ。…バンシル、済まないが、」
大臣がバンシルの方を見ると、お辞儀をして部屋から下がって行きました。
「バンシルに、聞かせられないお話?」
「…そう言う訳ではないんだが…」
そう言うと大臣はお茶を飲み、バンシルが置いて行ったお茶道具から、カップにお茶を注ぎました。
「まずは一つ、姫に謝らなければならない事が有る」
「…謝る?」
大臣が自分に謝らなければならないことなど、あるのでしょうか。ひとつだけ思いついた可能性がありましたが、それはあまりにも恥ずかしかったので、姫は慌ててそれを思いつかなかったことにしました。
「今回のサクナ殿の帰郷の件だよ。彼は貴女を連れて帰りたいと言ったが、私はそれを止めたのだ」
「どうして?!」
スグリ姫は、最初は一緒に連れて帰ると言われていたのが翻った理由を、詳しく聞いては居ませんでした。
ですが、誰かに何かを言われたからだとは全く思っていなかったので、大臣の言葉に不意を衝かれました。
「スグリ姫様、ご機嫌よろしゅう存じます。お時間を頂いて恐縮です」
「ううん。訪ねてくださって、嬉しいわ。小父様とゆっくりお話しするの、久しぶりね?」
スグリ姫は大臣に、にっこり笑いました。
大臣は父である王の側近であり、幼友達でもあります。
スグリ姫のことは生まれたときから可愛がってくれている、もう一人の父ともいえる方でした。
しばらくは、王と王妃の話、ハンダマ王子とレンブ妃の話など、周囲の近況の話をしながらお茶を飲んでおりました…が。
「そういえば、今日は何か御用事があったのでしょう?私にできることかしら」
「ああ、そうだ。…バンシル、済まないが、」
大臣がバンシルの方を見ると、お辞儀をして部屋から下がって行きました。
「バンシルに、聞かせられないお話?」
「…そう言う訳ではないんだが…」
そう言うと大臣はお茶を飲み、バンシルが置いて行ったお茶道具から、カップにお茶を注ぎました。
「まずは一つ、姫に謝らなければならない事が有る」
「…謝る?」
大臣が自分に謝らなければならないことなど、あるのでしょうか。ひとつだけ思いついた可能性がありましたが、それはあまりにも恥ずかしかったので、姫は慌ててそれを思いつかなかったことにしました。
「今回のサクナ殿の帰郷の件だよ。彼は貴女を連れて帰りたいと言ったが、私はそれを止めたのだ」
「どうして?!」
スグリ姫は、最初は一緒に連れて帰ると言われていたのが翻った理由を、詳しく聞いては居ませんでした。
ですが、誰かに何かを言われたからだとは全く思っていなかったので、大臣の言葉に不意を衝かれました。