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君に恋する物語
第2章 ユキの運命の恋
「も、申し遅れました。じ、自己紹介もせずに・・・失礼でした」

しどろもどろになりながら、やっと見つけた名刺を渡してくれた
高級ブランドのカードケースに入った名刺をそっと受け取る

何やら聞いた事のある大きな会社の名前の後に

(管理部課長   足立 穂高)

と、書いてあった

「・・・か、ちょう・・・さんなんですね」

名前よりも先にそんな言葉が出てしまった

「い、いや・・・!!課長と言ってもそんな大した者でもなく・・・」

慌てる彼はさっき私を助けてくれた勇敢な感じではなくて・・・
そのギャップに親しみやすさを感じてしまう

「あの、私は名刺とかは持ち合わせていませんもので・・・」

同じ様に返せない自分が少し恥ずかしかった

「え、ええ!!そんなものは「ただ」の紙ですので!!」

会社員の彼。
自分を表す名刺を「ただ」の紙と言ってしまっては・・・
身も蓋も・・・
と、内心思うもそれが可笑しくてクスッと笑ってしまった

「なので・・・名刺はお渡し出来ませんが・・・私は谷川 優希と申します」

失礼のない様に・・・
さっきのお礼を改めて・・・
との、思いで頭を下げた

「・・・優希・・・さん・・・」

私の名前を小声でポツリと呟いた
その声に・・・
不覚にもドキリとしてしまった
小さな・・・
独り言の様な声だったのに・・・
何故か、私の胸がドキドキするのは・・・どうしてなんだろう?

皆が私を呼ぶ「ユキ」
が・・・
この人は私を「優希」と呼ぶ様に聞こえるのは・・・
特別な感じがするのは・・・
どうしてなのかな?

・・・
・・・

お互いに沈黙が続いた

先に沈黙を破ったのは彼だった

「あ、あの・・・。このままここに居ても・・・」

「そ、そうですね!!」

やだ!!
いい歳した大人二人がぼうっとして!!
は、恥ずかしいったら!!

急いで私も我に返って誤魔化した
ええっと・・・
何だったけ?

「あっ!!そうそう!!お食事!!でしたよね?」

自分の失態を悟られぬ様に取り繕った

「・・・ええ」

思わず顔を見ると・・・
メガネの奥の優しい瞳が尚も柔らかくなる
私を見る瞳が堪らなく蕩けている
・・・と、思う・・・のは・・・
さっきの・・・
聞き間違いじゃなければ・・・
その・・・
私を「好き」だとか・・・
そんな感じの・・・
好意の表れなのだろうか?
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