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アムネシアは蜜愛に花開く
第4章 Ⅲ 突然の熱海と拗れる現実

「ああ、凄く気持ちよさそうな声。もっと明るいところで、お前の顔見たかったな」
「あ、ねぇ……はぁんっ、気持ち、よく、なん……ああああっ」
「ホント、お前の身体はこんなに素直なのに、どうして頑固なんだよ」
巽の声が直接鼓膜に届き、また耳もなぶられる。
「アズ、好きだ」
「……っ」
「お前が欲しい」
官能の波の狭間に、心がぎゅっと絞られ、さらなる官能の坩堝に放り込まれた気がした。
「や、……ああっ、駄目、駄目っ、あああっ」
「はは。本当にお前の身体は素直。……もっと啼いて? アズの声聞いていたい」
「……っ、たつ……駄目、指、抜いてっ」
「抜けといわれてもさ、アズが締め付けてくるんだぞ? 俺の指が外にでねぇように、きゅっと絡みつけて。この中に挿れてぇな。凄く歓迎されそうなんだけど」
「しない、歓迎しないっ、は……ああんっ、ああ、あああっ」
「ふふ、アズ。抵抗の言葉も、感じきっている可愛い声になってるぞ? もう諦めろ」
「やぁっ、あああっ、あ……きらめ、な……ぁあああっ」
あられもなく開いたまま引き攣る両足からは草履が落ち、ぞくぞくとした快感に唇を戦慄かせるわたしからは、もう喘ぎ声しか出てこなくなってしまった。
「アズ、なんでこんなに気持ちいいか、しっかり頭に刻めよ」
抜き差しする指が多くなり、ぱらぱらと中で指を動かされながら、飛沫を上げて巽の手が激しく動く。
「俺だから、だ。あいつじゃなく俺だから、お前はこんなに悦んでいるんだ」
そうかもしれないと思う。
巽だから。
巽がわたしの身体を愛してくれるから。
だからわたしの身体は気持ちよくてたまらなくなる。
巽じゃないと嫌だ。
巽に思いきり抱かれたい。
無理矢理でもいいから、わたしの頭の中を巽で一杯にして貰いたい。

