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アムネシアは蜜愛に花開く
第6章 Ⅴ アムネシアは蜜愛に花開く
「ああっ、あぁんっ、止めてっ、ぶるぶる止めてぇぇっ」
「だぁめ。俺に禁欲させて、仕事中もひとりで遊ぶいやらしい子にはおしおき」
「ちがっ、遊んでな……っ、んんっ、ああんんっ」

 半開きの唇を奪われ、頭を撫でられながらねっとりと舌が絡みつくと、それだけで電流が通ったように身体が痺れるわたしは、迫り来る大きな官能の波から逃れたいと、内股を震わせながら尻を振る。

「俺だけの、えっちな可愛いアズ」

 そう甘い顔で囁きながら耳をなぶり始める巽は、わたしのスカートを捲り上げて、背後からショーツの中に手を入れて前に指を滑り込ませ、蜜壷で震えている小さな楕円形の玩具をコードごとひっぱりあげ、リモコンで震動を止めた。わたしを追い詰めていた刺激がなくなり、ほっとするのと同時に物足りなく感じる。

「ああ、ずっとお前の中に挿ったままでいられる、ローターに嫉妬する」

 そう言いながら、耳の穴に細めた舌を滑らせる巽は、人差し指と中指の二本を、爆ぜることが出来なかったわたしの蜜壷の中に差し込み、ひくつく膣壁を指で擦るようにしながら、淫靡な粘着質の音をたてて手淫を始めてしまう。

「いやっ、こんなところでっ、ああんっ、ああっ、駄目っ、ああ、いいっ」
「なにが駄目だよ、気持ちよさそうな顔をして。俺を拒むくせに、こういう時だけは甘えてくるよな」

 巽の首元に凭れてはぁはぁと息をして喘いでいると、なにやらぶつぶつと声が聞こえたが、全身が性感帯になったように快楽の電流が奔るわたしは、巽に抱き付くようにして、必死に声を抑えた。
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