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アムネシアは蜜愛に花開く
第6章 Ⅴ アムネシアは蜜愛に花開く

「前に専務が溺愛の口紅作られていると仰られていたので、溺恋として三嶋と考えさせて貰いました」
「ねぇ、とっても綺麗でしょう、アムネシアローズの色。そちらがゴールドレッドというので、ピンク色にしてみたの」

 心臓が不穏な音をたてた。
 偽りの情報を流したことを逆手に取り、冷たい笑いを浮かべるこのふたりは、アムネシアを潰しにかかっているのではないか。

 わたし達が取りかかっている企画は、アムネシアに革新の風を吹かせる予定の特別なものだった。
 来月のアムネシアの創立記念に相応しいものだったのに、わかっていてすべてを盗んでいる。こんな堂々と。

「おや、どうしました?」

 怜二さんの笑みが冷たすぎて、わたしから全身の血が冷え、心まで凍てつきそうだ。

 こんな復讐を考えていたから、アムネシアを辞めたの?
 それとも義母の入れ知恵?

 巽がルミナスを無理矢理吸収したように、今度はユキシマがアムネシアを揺るがす。

 嫌だ。
 溺恋を潰されたくない。

 拳に力を込めて怒りに震えながら俯いていると、巽は突然笑い出した。
 
「失礼。ちょうど彼女と、コンセプトから見直して『溺恋』という……おたくが持ち込んだものと同じものを考えていたんです。笑っちゃうよな。まるでこちらの考えが漏れたかのように、鮮やかにやられた」

 巽は、なにを考えているのだろうか。
 こちらも同じものだと認めることは、手の内を見せたも同然だ。

「では社長にお伝え下さい。アムネシアも同じ名前の口紅を、ユキシマと同じ日に発表させて頂きます」
「は……?」

 誰もが驚いて、巽を見た。
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