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アムネシアは蜜愛に花開く
第6章 Ⅴ アムネシアは蜜愛に花開く
 

 わたし達は一番奥の社長室に連れられた。
 到底堅気の男性には思えない、目つきが鋭すぎる江戸っ子社長は、加賀さんというらしい。

 社長室の応接の黒革のソファーに巽と並んで座ると、巽は姿勢を正して頭を下げた。

「その節はお世話になりました」
「なに固いことを言ってるんだ、俺を親のように、ここを家族のように思えと言っただろうが。そこの彼女さんも、気楽にしてくれや」
「は、はい」
「はは……ありがとうございます。実はちょっとご相談したいことがありまして」
「おう、なんだ。言ってみろ」

 巽は今までの経緯を口にした。
 わたし達が作った企画書とユキシマのパンフレットを見せて、ユキシマを超えたいのだと。わたしを取られたくないのだと。

「……わかった。まずはケースは斎藤だな。無理でも俺が動かす」

 不思議と声に重みがある社長だった。
 会ってまもないわたしでさえ、なんとかなる気分がしてくるのだ。

「それで広報なんですが、AACにお任せしたい。誰かイメージに合う方を探して頂きたいんですが」
「紙の広告だけか?」
「いえ、CMや電子公告も考えています」
「いつ」
「今月末には」

 すると社長は笑い転げた。

「あははは、いきなり来てこれかよ、お前」
「……すみません。ユキシマにどこまで押さえられているのか探る時間はないんです」
「がはははは。わかった、わかった。だったら音楽も必要だな? 木場の音楽会社に声かけてみるわ。デジタル会社も下にあったしな。……で、モデルも了解、イチオシがいる。全面的に任せろ」
「ありがとうございます、助かった……。じゃあこれから、斎藤工務店に行って来ます。住所は変わらずで?」
「おお、そうだ。先に連絡しておくか」

 その場で電話をしてくれて、巽と代わった。巽は部屋の奥に移動して話している。
 
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