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アムネシアは蜜愛に花開く
第6章 Ⅴ アムネシアは蜜愛に花開く

「しかし、愛しのアズに会えたのなら、どうして真っ先に連絡してこないかね? それとあいつがクーデレだったとは恐れ入ったよ、悶えたね。現役の時にデレたら、もっとうちも稼げて……」

 そこで社長は言葉を止めて考え込み、わたしをじろじろと見て、にやりと不穏な笑いを見せた時に、巽が戻ってくる。

「快く引き受けてくれました」
「そうかそうか。持つ者は釣り仲間だな。じゃあ行ってやれ、喜ぶぞ」
「はい。またこちらに来ます」
「当然だろうが。必ず来い、毎日でもいい。これからはうちがアムネシアの広告塔になるんだから」
「はは、善処します」
「なにを偉そうに。揉めたら甘いものだ。それが一番だぞ?」

 わたし達は続けて、社長の友達が経営しているという斎藤工務店に赴いた。
 そこは『物作り』の現役を引退したシルバーさん達が勤める工場があり、中々の規模だ。
 白髪頭の斎藤社長を見れば、加賀社長のお父さん世代に見えるが、なんと加賀社長が若作りをしているだけで、同年代だそうだ。

 斎藤社長は真摯にこちらの頼みを聞いてくれて、イメージ固めのために様々な原材料や今まで作ったサンプルを見せてくれるが、その中には大手メーカーの大ヒットの容器まであり、何気に凄い会社なのかもしれないと舌を巻いた。
 
 団塊世代のシルバーさんは働きたいひとが多いそうで、二週間で五百個という無理な注文を、人員を追加すればそれ以上は作れると豪語してくれて、わたしと巽は合わせた顔に笑みを零して帰路につく。

「斎藤工務店の指揮は、全面的にアズに任せる」

 こんな時なのに、頼られるのが嬉しい。

「次は本社に戻って、研究員と会合だ」

 巽はアムネシアに戻っても精力的に動き、テキパキと指示をしながら、研究員と一緒にとことん色を突き詰めるようだ。専務室よりも研究所にいる方が長くなり、わたしは快く交通手段になってくれる運転手さんに差し入れをしながら、一日に何度も斎藤工務店やAACに通う日々が続いた。
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