この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
アムネシアは蜜愛に花開く
第3章 Ⅱ 誘惑は根性の先に待ち受ける

「ひゃく……なんで俺に言ってこなかったんだ。そうしたら俺、直談判にまた行ったのに」
「わたし、あのひとに出来ない女だって思われたくないんです」
「……きみのことだ、寝てないんだろう? だったら俺や山本が手伝おう。今は仕事らしい仕事もしていないから」

 わたしはすりと、怜二さんの胸に頬を寄せる。

「誰の力も借りずに、わたしだけの力でやり遂げたいです」
「……しかし」
「お願いします。ひとの案を持っていけば、きっと彼はわかってしまう」

「……きみと彼が会ったことは、よかったのかな」

 ぼそりと怜二さんは言った。

「最初から、彼がきみを見る目が違っていたから」

「ああ……、凄く嫌われていますよね」
「そうじゃなく」
「?」
「いや、いい。いいんだ……」

 怜二さんはわたしの顎を持ち上げるようにして、唇を重ねた。
 久しぶりの彼の唇は冷たくかさついていた。

「ん……」

 でも気持ちがいい。
 枯れているわたしにでも、女だということをわからせてくれる甘いキス。

 舌を縺れるようにして絡み合い、ちゅくちゅくと音がして声が漏れてくれば、怜二さんは両手でわたしの頬を挟むようにして、いつになく荒々しく舌を動かす。

「は……」
「んん……っ」

 わたしの頭の中から企画も巽も忘れさせる、そんなキス。
 それなのに、わたしの身体は濡れない。

 巽と再会した時も、彼とふたりで応接室で話した後も、わたしのショーツには、滴るくらいに淫らな蜜がべっとりと濡れていたというのに、今はそんな変化が全くない。

 ……いつもの如く。
/207ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ