この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
アムネシアは蜜愛に花開く
第3章 Ⅱ 誘惑は根性の先に待ち受ける

 
「巽……」

 ねぇ、いつだって蔑んだ目で疎ましいようにわたしを拒んでいたのは、わたしの受験のせいだけではないよね?
 血の繋がりもないのに姉貴ぶって偉そうにして、そのくせ義弟を男として見る気持ち悪い女だから? 

「好きに、なって……ごめん」

 だったら――。

 なんの縛りもない赤の他人のわたしを、なぜ今もそんなに嫌うの?

「父さんと義母さんを……引き裂いてごめん、なさいっ」

 わたしは泣きながら、飛び起きる。

 白い天井、白いシューズボックスと、ピンクの薔薇の花を模した玄関マット。

 ここは見慣れた、わたしの部屋の玄関だった。

 わたしは家に戻ってくる早々、玄関マットの上に顔をつけて、靴も履いたままで眠っていたらしい。

 巽が義弟だった昔のことを夢で見た気がするが、ぼんやりと靄がかって詳細はわからない。

 思い出せる最後の記憶は、怜二さんと一緒にいた休憩室。

 のしかかる企画書を押しつけた張本人の冷たい眼差しに、その後の日常的な記憶も吹っ飛んでしまうほどに、わたしにとってはかなりのストレスだったらしい。
/207ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ