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僕の彩芽
第10章 十
「あ、秋人さん……!俺……俺……秋人さんの事が!」
ワイシャツを床に落とし、豪は秋人さんへ近付いていく。
顔は紅潮し、緊張で両手の指先は震えている。
……まさか、本当にキス?!やめてくれぇぇぇ!
「っ……」
秋人さんの顔に自身の顔を近づける豪の光景を見ながら、私は息を飲んだ。
豪と秋人さんの唇の距離、二センチ……
これは本当に……しちゃうよ……。
そう思いながら、鼓動が速まる。
「や、やっぱり無理っす~!俺、恥ずかしいぃぃぃ!」
突然豪が両手で両頬を押さえながら秋人さんから離れると、安堵した。
……良かった。って、あれ?何で私ほっとしてるんだろう……。
「豪?まだか?何してんだ?」
待ちくたびれて秋人さんが目を開けると、豪は慌てながら胸を両手で隠した。
「これはっ!彩芽から脱がされたんすぅぅぅ!」
「ポチが?」
……い、いや、何でそんな嘘つくかな?!自分で脱いだじゃん!私秋人さんの太腿に座ってたんだから、脱がせられるわけないじゃん!
「ポチ……盛ってると思ったら、豪にまで……」
「違いますよ!豪が勝手に脱いだんですよ!」
冷血に睨まれて、私は怯えた。……何でこうなるのぉぉぉ!豪のせいで!
「他の野郎に腰上げてしっぽ振ったら、去勢すんぞ?」
「だから……!何もしてませんって!豪、何か言え!」
耳元で低く脅されて、体が恐怖で震え上がる。豪の話を聞くと更に……
「秋人さん、彩芽は……ビッチ野郎です。俺、何回も襲われそうになったんすよ……」
裏切りやがったぁぁぁ!私を陥れる作戦に出た!この卑怯者!豪、最低!