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僕の彩芽
第2章 ニ

 というか、この大男ってホモだよね?!研修なんて……女の私と出来るのだろうか。

「あの……」

「早く脱げ」

 後退る私へ、じりじりと近付いてくる大男。まずい。またさっきみたいなことするつもりだ。もう、嫌だ!

「……」

 どうにかして逃げようと、小さい脳ミソをフル回転させる。だが――

「豪、待つんだ。その子は俺が買い取るよ」

 ソファの方から声が聞こえて、私も大男もすぐにソファの方を見た。

「秋人さん?起きてたんすか?」

 寝ていた筈の秋人さんが起きていると気付いて、先に話し掛けたのは大男だった。

「ああ、今起きたよ……」

「つうか、今買い取るって言いました?!この女を!」

「そうだよ」

 寝起きでぼんやりしている秋人さんへ、大男は驚きながら質問する。それに対し、秋人さんはスーツのジッパーを整えながらにこりと微笑んだ。

「何でですか!何でこんな女を!」

「今研修してて思ったんだ……」

 秋人さんの言葉に驚いたのは大男だけじゃない。私も緊張しながら、言葉の続きを待つ。秋人さんが口を開けて言葉を発する瞬間を、ごくっと唾を飲み込みながら――そして、秋人さんの言葉を聞くと、私と大男は頷いた。

「思ったんだよ……こいつ使い物にならねぇって……」

 そりゃそうだ――
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