この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕の彩芽
第12章 十二
* * *
「料理も美味しいし、最高~、ここの旅館!」
夕食を食べ終えると、さくらさんが嬉しそうに頬を緩ませた。部屋食で、離れの和室で四人での夕食。旅館の浴衣に着替えた四人で料理を食べながら、実際凄いご馳走で、私も一緒に頬を緩ませる。
「また来たいですね!」
「うん!彩芽ちゃん、また来よう!」
「はいっ!」
テーブルを挟んで、目の前に座っているさくらさんに返事をする。さくらさんとはすぐに打ち解けた。21歳で、私の二つ上。豪と同い年。
おっとりした人で可愛らしく、親しみやすくて気が合う。ここ最近男の人とばかり接していたから、同性の人と接っする事が出来て嬉しかった。
そんな私へ、さくらさんの隣に座っている豪が話し掛けてくると、不思議になった。
「彩芽、行くぞ」
「えっ?行くって何処に?」
「旅館の温泉」
「温泉って、さっき入ったじゃん!」
「良いから来い」
驚く私を冷たく睨み付け、豪は立ち上がった。