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僕の彩芽
第12章 十二

「じゃあな……」

 旅館の温泉に着くと、豪がぶっきらぼうに言った。相変わらず無愛想な奴……。失恋したばかりだし仕方ないか……。

「うん、じゃあね」

 私は暖簾を潜り、脱衣所へ入ろうとする。しかし唐突に呼び止められて、動きを止めた。

「彩芽、一緒入る?」

「は?!何言ってんの!入るわけないだろ!」

「良いじゃん……たまには。どうせ秋人さんとさくらは部屋でヤってんだし……」

「部屋で……ヤってる……?」

 落ち込んだ様に豪が呟くと、顔を青ざめる。

 まさか……豪が私を離れから連れ出したのは、その為?秋人さんとさくらさんがエッチするから?!

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