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僕の彩芽
第3章 三

「何ですかこれ!外してください!」

 シャワーを浴びたばかりだろう秋人さんは、濡れ髪を後ろへかきあげ、バスローブを着た格好で、相変わらず冷たい表情をピクリとも動かさず言い放つ。

「は?外す?誰に口きいてんだ?お前は俺の、所有物だろ?」

 私のニットの胸ぐらを掴み、そのまま鷹の様に睨み付けると、乱暴に私の体をソファへ押し倒した。

「ひ……」

 ひぃぃぃ!怖い!怖いんですけど!全然、優しくない!神様とか思った自分が間違えてた!

「おい、お前は俺から飼われたんだ。良いか?これからは俺の言うことを聞け。俺がお前の主人だ」

「はい……」

「ワンだろうがぁ!」

 涙目になりながら私が返事をすると、秋人さんは私の前髪を引っ張り怒鳴った。ヤバいこの人……目が血走ってる。言うことをきかないと何されるか分からない……!

「ワン……!」

「そうだ。お利口だな」

 私が震え上がりながら鳴き真似をすると、秋人さんは薄ら笑いで私の頭を撫で始める。この首輪、外して貰えそうにない……。外してと頼んだところで、きっと外してくれないだろう。
 
「ポチ、来い」

「ど、何処に、行くんですか……?」

「寝室だ。寝るぞ」

「えっ……」

 急に腕を掴まれて引っ張られると、私は怯えながらも不思議になる。だが秋人さんは、そのままお構い無しに寝室の方へ歩き出した。……寝るって、まさか一緒に?!そう不安になる私のことなど、全く気にしていなかった。
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