この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕の彩芽
第1章 プロローグ
おっかねぇ。おっかな過ぎて、腰抜けそうだよ。見た目通り、怖いじゃん。ヤバい奴じゃん。
「てめぇは借金のかたに売られたんだよ!諦めて客に奉仕しときゃ良いんだよ!」
「はい!すいません!」
「源氏名、ホモエで異論はねぇな?」
「はい!ありません!」
「自分の名前言ってみろ」
「彩芽です!」
大男が話す度に、規則正しく右手を額に当て、敬礼するも。
「違うだろうがぁぁぁ!お前はホモエだ!このブス!」
ドスの効いた声で罵声を浴びせられると、全身を震え上がらせる。
「ひぃぃぃ!すいません!」
「おい、服脱いでみろ」
そのまま乱暴に掴まれた、モッズコートの胸ぐら。冷酷に睨み付けてくる、豹の様な瞳。何でこんな寒空の下、脱がないといけないんだよ……凍死するわ!そんな事、口が裂けても言えないが。
「えっ……どうして……」
「仕事の前に、どんな体してんのかチェックすんだよ」
「でも、ここ、道端ですけど……道端アンジェリ◯ですけど……」
「わけの分からねぇこと言ってねぇで、脱げ!さっさと脱がないなら、俺が脱がすぞ!」
私が動揺し過ぎたせいか、大男はうざそうに舌打ちすると、急に私の髪を引っ張った。
「痛っ!や、やめてくださいませんか?!」
「じゃあ早く脱げ」
暴力反対!弱いもの虐め反対!結局人生は、力や権力のある強者が勝つのか……。
「分かりましたから……」
脅しに屈し、私は恐る恐るモッズコートを脱ぐ。