この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕の彩芽
第8章 八
どしゃ降りの様だった涙と鼻水も止まる。
「だから彩芽も、親から売られたからって悲しむなよ!」
「うん……」
「いて良いから!もう邪魔とか言わねーし、出て行けとか思ってねーから!」
豪の言葉、安心する……。私を励まそうとしてくれているんだ……。
「私、誰からも必要とされてないんだけど……」
「秋人さんがいるだろ。それに……俺も彩芽の側にいてやるよ!仕方ねーな!お前、ホント」
金色の髪をわざとの様に、左手でぐしゃぐしゃとかき混ぜられた。鳥の巣完成。そのまま私は不思議がりながら話す。
「でも……秋人さんは何でそんな固執するんだろう……私なんて500万の価値もないじゃん。500万貰って、私なんて手離せば良いじゃん。やっぱり人間を飼いたい欲望のある変態なの?」
秋人さんと数日住んで、違和感を感じるところもあった。ペットを可愛がるふりをして、秋人さんは何処か寂しそう……。まさか秋人さんにも壮絶な過去が?
「秋人さんはな……」
「秋人さんは?」
急に真剣な顔で豪が私を見ると、私は緊張しながら聞き返す。だが、続けられた言葉を聞くと、鼓動が高鳴った。
「秋人さんは……ただの変態だ!」
やっぱりか――