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僕の彩芽
第8章 八

 どしゃ降りの様だった涙と鼻水も止まる。

「だから彩芽も、親から売られたからって悲しむなよ!」

「うん……」

「いて良いから!もう邪魔とか言わねーし、出て行けとか思ってねーから!」

 豪の言葉、安心する……。私を励まそうとしてくれているんだ……。

「私、誰からも必要とされてないんだけど……」

「秋人さんがいるだろ。それに……俺も彩芽の側にいてやるよ!仕方ねーな!お前、ホント」

 金色の髪をわざとの様に、左手でぐしゃぐしゃとかき混ぜられた。鳥の巣完成。そのまま私は不思議がりながら話す。

「でも……秋人さんは何でそんな固執するんだろう……私なんて500万の価値もないじゃん。500万貰って、私なんて手離せば良いじゃん。やっぱり人間を飼いたい欲望のある変態なの?」

 秋人さんと数日住んで、違和感を感じるところもあった。ペットを可愛がるふりをして、秋人さんは何処か寂しそう……。まさか秋人さんにも壮絶な過去が?

「秋人さんはな……」

「秋人さんは?」

 急に真剣な顔で豪が私を見ると、私は緊張しながら聞き返す。だが、続けられた言葉を聞くと、鼓動が高鳴った。

「秋人さんは……ただの変態だ!」

 やっぱりか――

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