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僕の彩芽
第8章 八
……――そのまま数時間が経ち、シャワーの時間になると、私は秋人さんに連れられて脱衣所へ入った。普段通り秋人さんはYシャツにスーツのズボン姿で、私のニットを脱がせながら不思議そうに聞く。
「ポチ、やけに顔が赤くないか?」
「いえ、別に……」
さっき豪があんな頼み事してくるから!意識して顔の火照りが治まらない!そんな事秋人さんには言えないし……
「そうだ。ポチ。首輪がきついと思って、新しい首輪を買ってきた」
私のニットを脱がせると、ズボンのポケットから何かを取り出し、私の首へ嵌め始める。そんな秋人さんを黙って見るも、すぐ首に嵌められたのがネックレスだと気付くと呆然とした。
「えっ、これ……」
首輪じゃないんですけど――
「ダイヤの付いた首輪だ」
ネックレスを付け終えて、はっはっはっと爽やかに笑う秋人さん。その姿は異様としか言いようがない。
「……」
どんなリアクション取ったら良いんだろう。プレゼントってこと?それはないか。だってネックレスを首輪って言ってるし。ボケだとも思えないし。
「ポチ、嬉しいか?」
「……はい。嬉しいです……」
笑顔の秋人さんへ、頷く。
「……」
素直に嬉しい。首輪として貰ったとしても、ネックレスなんて初めて貰った。こんなに嬉しいなんて……。