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僕の彩芽
第9章 九
* * *
「お願い、彩芽!少しの間だけで良いのよ!エルでまた働いてくれないかしら?」
黒い着物を身に纏った蝶子さんは、リビングに入るなり深々と頭を下げた。
「すいません、蝶子さん……秋人さんから断る様に言われてるんですよ……」
「本当に秋人さんって頭でっかちね!そんなに彩芽を働かせたくない理由は何かしら?」
豪と入れ違いに来て、その理由が分かっていた私は申し訳なく思いながら断ったが。理由は変態だからです☆などとは言えない。絶対、絶対言えない!
「本当にすいません……」
「困ったわ……お店の子達がインフルエンザで欠勤だらけなのよ……」
「インフルエンザ……」
本当は助けてあげたい。蝶子さんの困った顔を見て、衝動にかられる。インフルエンザって事は一週間ぐらい働けば良いってことか……それぐらいなら、秋人さんにもバレずに働けるんじゃ……?