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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第2章 まだ「お誕生日」の来てない日

「…こういうの、好きか?」
「うん。大好き。」
姫はもともと刺繍やレース、織物などの手仕事が好きでした。
それをサクナが着ていることで、「好き」がもっと上乗せされたのでしたが、それを言うのは恥ずかしかったので、そこまで口には出しませんでした。
「…お前も、着てみるか?」
「え?!」
「迷惑かとも思ったんだが、」
その後の言葉は適当に濁しながら、サクナは先程姫がつまずいた荷物から平たい箱を取り出して、蓋を開けて姫に見せました。
「うわあー!綺麗…!」
箱の一番上には、淡い緑色で虹のような光沢を伴って光る、とても薄くて透ける布が、収められていました。ところどころにとても細い金銀の糸で刺繍が施されていて、同じ糸で端に房がついています。
「気に入ったなら、やる。」
「いいの?」
「ああ。」
姫はふわふわしているのにさらりとした手触りの布を指先で触ってみながら、気になったことをサクナに聞きました。
「…これ、もしかして…お誕生日の、贈り物?」
「いいや。まだ誕生日じゃ無ぇだろ」
あっさり即答されて、姫は少し拍子抜けしました。
「それは、そうだけど…こんな素敵な衣装、」
「いや、これは婚r…」
「え??」
「…うっかりが移った…」
サクナは、ちっ、と舌打ちすると、物凄い早口で言いました。
「これはお前が婚礼衣装を着る前に一度着て慣れておいた方が良いんじゃ無ぇかって言われて持って来たんだよ」
「こんれいっ…いしょおっ…!!!」
相当な早口だったにも関わらず、スグリ姫の耳は、聞き捨てならない単語をしっかり聞き取りました。
サクナの口から告げられた「婚礼衣装」という響きが甘過ぎて、つまずいて頭をぶつけた時よりも、頭の中がくらくらしました。
「…正式な婚礼衣装は、今度あっち行った時に頼むんで良いな?婚礼自体も、ここでとあっちでと二回やることになるが…良いか?」
一度口に出したら平気になったのか、サクナは婚礼という単語を連発しながら、今後の計画を説明しました。
まだ「婚礼衣装」の衝撃が覚めやらないスグリ姫は、首がもげそうなくらいこくこく頷いて、更に頭がふらふらしました。
「うん。大好き。」
姫はもともと刺繍やレース、織物などの手仕事が好きでした。
それをサクナが着ていることで、「好き」がもっと上乗せされたのでしたが、それを言うのは恥ずかしかったので、そこまで口には出しませんでした。
「…お前も、着てみるか?」
「え?!」
「迷惑かとも思ったんだが、」
その後の言葉は適当に濁しながら、サクナは先程姫がつまずいた荷物から平たい箱を取り出して、蓋を開けて姫に見せました。
「うわあー!綺麗…!」
箱の一番上には、淡い緑色で虹のような光沢を伴って光る、とても薄くて透ける布が、収められていました。ところどころにとても細い金銀の糸で刺繍が施されていて、同じ糸で端に房がついています。
「気に入ったなら、やる。」
「いいの?」
「ああ。」
姫はふわふわしているのにさらりとした手触りの布を指先で触ってみながら、気になったことをサクナに聞きました。
「…これ、もしかして…お誕生日の、贈り物?」
「いいや。まだ誕生日じゃ無ぇだろ」
あっさり即答されて、姫は少し拍子抜けしました。
「それは、そうだけど…こんな素敵な衣装、」
「いや、これは婚r…」
「え??」
「…うっかりが移った…」
サクナは、ちっ、と舌打ちすると、物凄い早口で言いました。
「これはお前が婚礼衣装を着る前に一度着て慣れておいた方が良いんじゃ無ぇかって言われて持って来たんだよ」
「こんれいっ…いしょおっ…!!!」
相当な早口だったにも関わらず、スグリ姫の耳は、聞き捨てならない単語をしっかり聞き取りました。
サクナの口から告げられた「婚礼衣装」という響きが甘過ぎて、つまずいて頭をぶつけた時よりも、頭の中がくらくらしました。
「…正式な婚礼衣装は、今度あっち行った時に頼むんで良いな?婚礼自体も、ここでとあっちでと二回やることになるが…良いか?」
一度口に出したら平気になったのか、サクナは婚礼という単語を連発しながら、今後の計画を説明しました。
まだ「婚礼衣装」の衝撃が覚めやらないスグリ姫は、首がもげそうなくらいこくこく頷いて、更に頭がふらふらしました。

