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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第2章 まだ「お誕生日」の来てない日
そんなぼうっとした姫の様子を見て、きちんと言っておいた方が良いと思ったのでしょう。
尻餅をついたままの姫の傍らに跪いていたサクナは、姫の髪を撫でながら言いました。

「婚礼のことは、熱が下がってから大臣様やハンダマ様とも色々相談して、話はちゃんと進んでるから…心配すんな」
「……うん……」
頭が一杯になりすぎて、スグリ姫は、目を閉じました。そして熱くなって来た頬を、両手でそっと押さえました。

「なんか…、夢みたい…」
「夢にすんな。…目ぇ開けろ」
そう言われて目を開けた途端に、サクナにちゅっと口づけられたので、スグリ姫はふふっと笑いながら、ちゅっと口づけを返しました。

「これ、着てみてもいい?」
「もちろん。お前が着る為に選んだ服だぞ」
姫が薄い布を箱からそうっと取り出すと、その下からは透けない素材で一面に細かい刺繍がされている、若葉のような淡い緑の衣装が出てきました。長くすとんとしたドレスのようなその服は、南の地の装束らしく所々に風が通る仕掛けがされていました。着る時には同じ生地で刺繍の無い、ゆるめで裾を絞ったパンツを身に付けて、一番上に乗っていた、透ける布地で出来ている羽のようなストールを羽織るのだ、と言う事でした。

この衣装を着てみるに当たって、どこで着替えをするかで一悶着ありましたが、結局は「絶対に隣の部屋で着替える」と言い張った、スグリ姫の意見が通りました。
覗いちゃだめ!と言い置いて、姫は隣の部屋に行き、扉をぱたんと閉めました。


「…うーん…?」
着て慣れておく方がいい、と言われたというその衣装は、他人の手を煩わせることもなく、意外と簡単に着ることができました。
それを纏ってみた姫は、自分がとても大人っぽく見えることに驚きました。

「なんか…うーん…?」
いつもと凄く印象が違う気がするのは自分だけかもしれないと思い、姫は一番近くに居る他人に、感想を聞こうと思いました。

「サクナー?」
隣の部屋との扉を開けて、顔だけ向こうに覗かせた姫は、恋人の名を呼びました。

「お、着れたか?」
暇を持て余していたサクナは、長椅子にだらっと座りながら、姫に返事を致しました。

「うん。でも、なんか…女の人っぽい服、ね?」
「いつもの服も女っぽいだろ」
「っていうか…」
なんだか色っぽい服、と思って自分の姿をちらっと眺めて、姫は少しだけ赤くなりました。
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