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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第3章 初めての夜ば…もとい、「お誕生日」の贈り物

「…ぅありがどぉお…」
「何泣いてんだ」
「嬉しい…あと、恥ずかしいぃ…」
サクナは笑いながら泣いている姫を抱き締め、姫はぎゅっと抱き付きました。
「誕生日に、なったな。」
「うん…」
スグリ姫は髪を撫でられながら、自分ほど幸せなお誕生日を迎えた人は、何処を探しても他に居ないだろうと思いました。
「…誕生日の贈り物にふさわしいかは、分からねぇんだが…もし良かったら、貰ってくれるか?」
「え?」
サクナは立ち上がって、荷物の中から両掌を合わせたくらいの平たい包みを取り出すと、姫の座っている椅子の横にある丸いテーブルに置きました。
それから手近な椅子を姫の座っている椅子に寄せ、自分はそこに座りました。
「部屋に行って、こいつを渡すつもりだった」
そう言いながら、サクナは白い絹の包みを開けました。
「わー…」
包みの中からは、光沢のある真紅の絹張りの箱が出てきました。
サクナは横についている掛け金をはずすと、蝶番で留められている蓋を開けました。
箱の中は、蓋の裏は外と同じ絹地が貼られ、本体の方は、毛足の短い艶々した生地が、クッションの様に埋められていました。
その上に窪みが作られていて、そこには金に赤い石が散りばめられた装飾品が納められ、夜の明かりをちらちら反射して、煌めいておりました。
「…すごーい、きれーい…」
「お前には、別に珍しくもないだろ。ハンダマ様の婚礼の時もしてたし」
確かに、公的な儀式で身に着けるティアラと耳飾り、首飾りの一揃いも、同じようなクリーム色の絹張りの箱に収められている一組です。
けれどこちらは、金の台に赤い石で作られている為か、銀と透明の一式とは、違う雰囲気がありました。
「これはサクナからの贈り物なんだもの、あれとは全然違うわよ…これ、腕輪?」
姫は箱に収まっている装飾品のうちの一つを指差して、尋ねました。
「それは足環だそうだ」
「足?」
「果物摘むのに邪魔だから足にする、って言われてるらしいけどな…腕でもどっちでも良いんじゃねぇか。」
「そうなのねー…触っても良い?」
「ああ」
サクナが頷いたので、姫は足環を箱からそっと出して、眺めました。
「何泣いてんだ」
「嬉しい…あと、恥ずかしいぃ…」
サクナは笑いながら泣いている姫を抱き締め、姫はぎゅっと抱き付きました。
「誕生日に、なったな。」
「うん…」
スグリ姫は髪を撫でられながら、自分ほど幸せなお誕生日を迎えた人は、何処を探しても他に居ないだろうと思いました。
「…誕生日の贈り物にふさわしいかは、分からねぇんだが…もし良かったら、貰ってくれるか?」
「え?」
サクナは立ち上がって、荷物の中から両掌を合わせたくらいの平たい包みを取り出すと、姫の座っている椅子の横にある丸いテーブルに置きました。
それから手近な椅子を姫の座っている椅子に寄せ、自分はそこに座りました。
「部屋に行って、こいつを渡すつもりだった」
そう言いながら、サクナは白い絹の包みを開けました。
「わー…」
包みの中からは、光沢のある真紅の絹張りの箱が出てきました。
サクナは横についている掛け金をはずすと、蝶番で留められている蓋を開けました。
箱の中は、蓋の裏は外と同じ絹地が貼られ、本体の方は、毛足の短い艶々した生地が、クッションの様に埋められていました。
その上に窪みが作られていて、そこには金に赤い石が散りばめられた装飾品が納められ、夜の明かりをちらちら反射して、煌めいておりました。
「…すごーい、きれーい…」
「お前には、別に珍しくもないだろ。ハンダマ様の婚礼の時もしてたし」
確かに、公的な儀式で身に着けるティアラと耳飾り、首飾りの一揃いも、同じようなクリーム色の絹張りの箱に収められている一組です。
けれどこちらは、金の台に赤い石で作られている為か、銀と透明の一式とは、違う雰囲気がありました。
「これはサクナからの贈り物なんだもの、あれとは全然違うわよ…これ、腕輪?」
姫は箱に収まっている装飾品のうちの一つを指差して、尋ねました。
「それは足環だそうだ」
「足?」
「果物摘むのに邪魔だから足にする、って言われてるらしいけどな…腕でもどっちでも良いんじゃねぇか。」
「そうなのねー…触っても良い?」
「ああ」
サクナが頷いたので、姫は足環を箱からそっと出して、眺めました。

