この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第4章 スグリ姫の「お誕生日」
「バンシル、ありがとう!お花の髪飾り、すっごく素敵…!」
姫は鏡の中の自分を見て目を丸くして、感激しながらバンシルに感謝を述べました。

「ありがとうございます。婚約者様の贈り物に負けないように頑張っちゃいましたが、その甲斐がありましたね。」
バンシルは、今日の姫は自分から見ても良い出来だ、と密かににんまりしました。

「サクナ、何ていうかしら…」
「さあ…。何て言うにしろ、姫様が綺麗過ぎてまた惚れ直すのは間違いありませんよ。」
そして挙動不審になる様が目に浮かぶようだ、とバンシルは思いました。
「……そうかしら…?お世辞でも、嬉しいわ…」
バンシルの言葉を聞いたスグリ姫は、薔薇色に火照った頬を両手で押さえました。その姿はお世辞でなく本当に愛らしかったので、バンシルの頭には、自分が男だったらサクナなんかに渡さないのに、という危険な考えが過りました。

「私が姫様にお世辞なんて言う訳ないでしょうが。本当に、お綺麗ですよ。今からこんなにお綺麗じゃ、お嫁入りの日の婚約者様が正気で居られるかが思いやられますね。」
「………え?」
花の香りのためか、姫の美しさのためか、バンシルも高揚していたのでしょう。
バンシルは、彼女に似合わぬ小さな小さな失言を致しました。

「…お嫁入り…っ」

バンシルはからかい混じりに姫を賞賛していたのですが、今の姫には言わない方がいい言葉を言ってしまいました。
姫にとって、お嫁入り自体は当然とても嬉しいことです。
けれど、先程花を貰ったときに、お嫁に行ったら誕生日をこんな風に祝うことは無くなるのだ、と思ったばかりなのです。
スグリ姫はバンシルの言葉で、お嫁入りの日が来たときのバンシルとのことを想像してしまい、再び涙が湧いてきました。

「バンシルぅ…」
「すみません、姫様。うっかりしました。」
バンシルは、自分の失言に心の中で舌打ちしながら、手巾を出して姫の涙を押さえました。
「バンシルぅう…お嫁入り、淋しい…」
「何言ってんですか。あんなにいちゃいちゃしてる癖に」
「だってっ…サクナはもちろん大好きだけど、バンシルだって、大好きなんだものっ…!!」
スグリ姫はそこまで言うと涙が溢れて来たらしく、バンシルに抱き付いて、本格的にめそめそし始めました。
/50ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ